アトピー性皮膚炎

■アトピー性皮膚炎

<症状>

  • 花粉やほこり、ダニ、特定の食物の成分などに過敏に反応し、皮膚に炎症が起きます。
  • 乳児期、幼小児期、思春期・成年期と症状の現れ方は違います。
  • 乳児期は、頬や口のまわりに赤いプツプツした発疹が出てきます。首や肘の内側、膝のうらなど汗のたまりやすい部分にもみられます。
  • 幼小児期は、治る人が増えて患者数は減ります。まず、顔の発疹が減り体に増えてきます。乳児期を過ぎると、アトピー性皮膚炎の特徴である皮膚の乾燥が目立ってきます。
  • 思春期・成年期では、アトピー性皮膚炎が悪化しやすい時期で、首のまわりが黒ずみ、皮膚が厚く、きめが粗い状態となり、強いかゆみを生じます。顔には、紅斑(赤ら顔)が生じ、角質がはがれ落ちてしまうこともあります。
  • 季節によって症状の重さは変化し、夏場に悪化する人もいれば、冬場に悪化する人もいて個人差がみられます。通常は、夏場に軽減し、 冬場に肌の乾燥が強くなって悪化する方が多いようです。

<原因>

  • アトピー性皮膚炎は、アトピー体質という特異な体質の人に起き、遺伝性が関与しているといわれています。
  • 乳幼児期に始まったアトピー性皮膚炎が成人期まで続くこともあります。また、成人になってから発症するケースが増加する傾向にあります。
  • アトピー性皮膚炎の原因となる物質として、ダニやハウスダスト、花粉、ペットの毛、カビなどがあげられます。
  • 乳幼児では牛乳、卵、そば、小麦粉、大豆などの食物がアレルゲンとなることもあります。
  • 精神的ストレスや汗などの外からの刺激も発症の原因となります。

<治療>

  • 皮膚のかゆみが続くと、かき壊してして症状が悪化するため、かゆみ止めることを優先します。
  • 皮膚の乾燥に対しては、白色ワセリン、ヒルドイド軟膏、ケラチナミン軟膏などを使用していきます。
  • 上記でかゆみがおさまらない時は、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を内服します。
  • かゆみがひどく、皮膚の炎症がひどい場合は、副腎皮質ステロイドの軟膏も使用していきます。副腎皮質ステロイド薬は、何段階か作用の違うものがあるので、症状や部位によって適した薬が選ばれます。
  • 副腎皮質ステロイド薬は、長期間使用すると塗布部位の黒ずみや多毛などの様々な副作用がみられ、顔は副作用が出現しやすいためステロイド剤は避け、非ステロイドの抗炎症剤を使用していきます。
  • 原則として、ステロイドの内服は行ないません。