緑内障(青そこひ)

■緑内障(青そこひ)

<症状>

  • 緑内障は「青そこひ」ともよばれ、これは眼圧の急上昇により角膜が濁り、黒目の部分が青っぽく見えることからいわれています。
  • 眼圧が上昇して視野が狭くなり、視力が低下していきます。
  • 急性緑内障は中年以降の女性の多く、急激に眼圧が上昇するため、目の痛み、激しい頭痛、吐き気などの症状がみられます。
  • 眼科受診が遅れ適切な処置がされないと、数日で失明する可能性があります。
  • 慢性緑内障は、10年~20年とゆるやかに進行していき自覚症状がほとんどありません。そのため、発見しにくく気づいた頃には視神経が障害され視野が狭くなていることが多いです。

<原因>

  • 角膜の後ろには房水と呼ばれる液体があります。角膜と虹彩のあいだ(前眼房)と虹彩と水晶体のあいだ(後眼房)の液体であり、眼圧を正常に保ち水晶体や角膜に栄養を与える働きをしています。
  • 房水は毛様体でつくられ、シュレム管を通って眼の外へ排出されます。しかし、何らかの障害があって流れが悪くなると、眼圧が上昇し眼の奥にある視神経を圧迫してしまいます。この状態が、緑内障となります。(正常な眼圧は、10~21mmHg)

<緑内障の種類>

  • 閉塞隅角緑内障
    • 隅角が虹彩にふさがれて狭くなり、眼圧が上昇します。
    • 急性では、ある日突然視力低下、頭痛、眼痛、吐き気などが出現します。夜に出現することが多く、内科的疾患の症状と似ていますが、角膜の濁り、結膜の充血、散瞳(瞳孔が開いた状態)などの症状で鑑別できます。
    • 慢性的に高い眼圧が続くのが、慢性の閉塞隅角緑内障で、自覚症状がほとんどなく緑内障の発見が遅れる場合があります。
    • 40歳以上の女性に多くみられます。
  • 開放隅角緑内障
    • 眼圧は上昇しますが、自覚症状がなく気づきにくいのが特徴です。
    • 目が疲れやすく、だんだん視野の一部に欠損を生じます。眼精疲労や老視と間違われ、治療が遅れてしまうことがあります。
    • 40歳以上で多く発病し、高齢になるほど多くなります。
    • 遺伝的な要素もあるといわれています。
  • 正常眼圧緑内障
    • 正常な眼圧(10~21mmHg)なのに視野が狭くなります。
    • 緑内障の約6割が正常眼圧緑内障です。
  • 続発緑内障
    • 眼の外傷や炎症、糖尿病、副腎皮質ホルモン剤などの薬剤によって眼圧が上昇する緑内障です。
  • 先天緑内障
    • 生まれつき隅角が未発達のために、房水の排出が妨げられて眼圧が上昇します。

<治療>

  • 緑内障にかかると、完治させるのは困難となります。治療は眼圧を下げることが基本となり、視野欠損を最小限にとどめることを主とします。
  • 急性緑内障の場合は、点眼薬や内服薬を用いて眼圧を下げてから、レーザー治療を行い房水の流れをよくしていきます。
  • 慢性緑内障の場合も、まず点眼薬や内服薬を用いて眼圧を下げて進行を抑えます。効果がない場合は、レーザー治療や手術で眼圧を下げていきます。