食道裂孔ヘルニア

■食道裂孔ヘルニア

<症状>

  • 食道は、胸部と腹部をしきる横隔膜を貫通しています。食道裂孔とは、この横隔膜にある裂孔(通り穴のすきま部分)のうち、食道が通る「通り穴」が食道裂孔となります。
  • 食道裂孔ヘルニアとは、上記の通り穴の部分が弱くなり、胃や食道と胃の接合部分が胸部側に脱出してしまう病気です。
  • 上腹部の不快感や痛み、胸痛、胸やけ、げっぷ、つかえ感などの症状が出現し、胃液の逆流による逆流性食道炎を併発することもあります。

<原因>

  • 先天性の食道裂孔ヘルニアもありますが、多くは後天性になります。
  • 加齢により食道裂孔のまわりの筋力が低下したり、肥満や妊娠、慢性的な咳嗽によって腹腔内圧が上昇すると食道裂孔ヘルニアになりやすくなります。

<治療>

  • 胃の胸部側への脱出が軽度で、症状ほとんどない場合は、とくに治療の必要はありません。
  • 症状が強い場合は、外科的手術が適応となります。最近では腹腔鏡下手術が行われています。
  • 体重をコントロールし肥満を解消するだけで、症状が軽減することもあります。
  • 寝る時は上半身を高くしたり、腹部を締めつけないように配慮することで症状が軽減します。また、食後は、すぐ横にならないようにしましょう。