■蕁麻疹(じんましん)
<症状>
- かゆみを伴い、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がります。(膨疹)
- 人によって、かゆみがないこともあります。
- 多くは、円形、地図状に盛り上がります。
- 時間は、数分で消えるものから、数時間かかるものとありますが、時間がたつと跡を残さず消えます。(膨疹発作)
- 何回か繰り返して出なくなるものを急性蕁麻疹(じんましん)、1ヶ月以上も繰り返すものを慢性蕁麻疹(じんましん)と区別しています。
- 蕁麻疹(じんましん)は、体のいたるところにできます。のどの粘膜にできる場合は、呼吸困難を起こし、最悪の場合は窒息してしまうため注意して下さい。
<原因>
- 何らかの原因が加わった時に放出されるヒスタミンの作用により、血管内の血漿成分などの水分が血管の外に出て皮膚のむくみを引き起こします。原因は、いくつかに分類されます。
- アレルギー性蕁麻疹
- 食物(青魚、エビ、カニ、ソバ、牛乳、卵など)、ほこり、花粉、カビ、細菌、薬剤(風邪薬など)、動物性の毒素などによるアレルギー反応で皮疹が生じます。
- 機械性蕁麻疹
- 圧迫や摩擦による外部からの物理的な刺激(下着のゴムの圧迫など)によって生じます。
- 寒冷蕁麻疹
- 冷たい風や水、氷などに触れたり、冷たい飲み物を飲んで唇や舌に蕁麻疹が出る場合があります。
- 温熱蕁麻疹
- 温水や温風が当たった部分にできます。
- コリン性蕁麻疹
- 発汗刺激で出る蕁麻疹で青年期に多くみられます。運動や精神的ストレスなどによってアセチルコリンが分泌されて起こります。
- 一般の蕁麻疹と異なり、小さい蕁麻疹が沢山でき、ピリピリと痛みを伴う事が多いようです。アレルギー体質の人によくみられます。
- 心因性蕁麻疹
- ヒステリー、自律神経失調症などが原因です。
<治療>
- まず、できるだけ原因・悪化因子を探し出し、それらを取り除く、または避けるようにすることが第1です。
- 次に、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬が用いられます。重い急性蕁麻疹(じんましん)では、ステロイド薬の全身療法を行う場合もあります。
- 花粉症など、原因物質が明らかな場合は、「減感作療法」といって、その物質を少量ずつ注射していく方法があります。
- この他、漢方薬や免疫変調薬などを含む種類の薬が、症状に応じて補助的に用いられることもあります。
<生活上の注意点>
- 頻繁に発作がみられる場合は、激しい運動を避けます。
- 蕁麻疹の増悪因子となりやすい疲労やストレスをできるだけ溜めないようにします。
- 皮疹が生じてかゆみを感じても、かかないように注意して下さい。
- 防腐剤や色素を含む食品を控えめにして下さい。