脂漏性皮膚炎

■脂漏性皮膚炎

<症状>

  • 皮脂の分泌の多い部分に発症します。その他、腋の下など汗や摩擦の多い部分にも皮膚炎が現れることがあります。
  • 皮膚が赤くなり、フケのように白いものが剥がれ落ちるようになります。
  • 乳児脂漏性皮膚炎は、髪の生え際から頭皮、額や眉毛の部分に黄色いかさぶたと皮膚の赤み(紅斑)がみられます。かゆみはほとんどありません。
  • 成人脂漏性皮膚炎は、頭部から髪の生え際の脂っぽいフケや皮膚の赤み(紅斑)、顔で鼻の周囲などに脂っぽい薄いかさぶたのようなものを伴った皮膚の赤み(紅斑)が見られるのが特徴です。その他、腋の下や鼠径部(そけいぶ)にみられることもあります。軽いかゆみをともないます。

<原因>

  • 皮脂の多い部位に常在するマラセチアなどの酵母による皮膚炎という説が有力とされています。マラセチアは、皮膚や皮脂腺の出口から毛穴にかけて住んでいる真菌(カビ)です。
  • 皮脂分泌の多い部位、例えば頭や顔、腋の下などの皮膚に細菌が感染したり、汗によって刺激を受けたりすることが原因となります。
  • 皮脂分泌の盛んな乳児や20~40歳代の成人に多くみられます。

<治療>

  • 乳児脂漏性皮膚炎は、頭部の場合はベビーオイルやワセリンを塗り、数時間後に洗髪し、かさぶたを優しくとります。一般に短期間で治癒します。
  • 成人脂漏性皮膚炎は、毎日入浴・洗顔をして皮膚を清潔に保つことで改善されます。
  • マラセチアが見つかった場合は、外用抗真菌薬を塗布すると、1~2週間で症状が軽快します。
  • 脂漏性皮膚炎の中には、外用抗真菌薬の使用でかえって悪化することもあり、その場合、短期間副腎皮質ステロイド外用薬を塗布することもあります。