大腸ポリープ

■大腸ポリープ

<症状>

  • 大腸ポリープは、大腸の粘膜の一部がきのこの形に盛り上がったものをいいます。
  • 大腸ポリープは、40歳代から増えはじめ、高齢になるほどできやすくなります。
  • 女性に比べて男性に多くみられます。
  • 大腸ポリープは、直腸に最も多く、次に直腸にS状結腸に多く発生します。
  • 大きさは、数mmから3㎝ぐらいまでさまざまで、全体の80%は、腺腫性ポリープとよばれる、がんになりなりやすいポリープです。(腺腫を切除せずに放置すると、約6~7年でがん化するといわれています。)
  • 上記のほかに、高齢者に多い過形成性ポリープ(粘膜細胞の増殖がみられる)や腸炎後にみられる炎症性ポリープなどがあります。
  • ポリープが小さい場合はほとんどが無症状ですが、大きい場合は便に血が混じったり腹痛が出現する場合もあります。

<原因>

  • ポリープが発生する原因は、明らかになっていません。
  • しかし、食生活の欧米化により、動物性脂肪の摂取量が増加し、食物繊維の摂取量が減少したことが関係しているといわれています。

<治療>

  • 注腸造影検査(肛門からバリウムを注入して、X線写真を撮る検査)や大腸内視鏡検査でポリープがみつかり、ポリープの組織を病理検査した結果、腺腫性ポリープで大きさが約10mm大以上の場合は、内視鏡を使って切除するのが一般的です。
  • ポリープの形状が有茎性(きのこ状に突出し、根元がくびれている)の場合は、内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)、無茎性(半球状に隆起したもので、根元はくびれていない)の場合は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)が行われます。
    • 内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)は、ポリープの茎部(けいぶ)にワイヤーをかけ、高周波電流を通して焼き焼き切除します。
    • 内視鏡的粘膜切除術(EMR)は、茎が無く平坦なポリープや突起の少ないポリープに用いられ、理食塩水を注入して粘膜を膨らませて高周波電流で焼き切除します。
  • 腺腫以外のポリープの場合は、治療は不要ですが、出血などの症状が出現している場合は切除の対象になります。
  • ポリープは、切除しても再発しやすいため、定期的に検査をする必要があります。
  • 大腸ポリープはがん化することもあり早期発見することが大切となります。そのため、年に1度検査することが大事です。 
  • 免疫便潜血反応検査(2日法)は、2日分の便をそれぞれの容器に入れ病院に持って行き、約1週間後に結果が出ます。
  • 便潜血反応検査で(+)と出た場合には、注腸造影検査や大腸内視鏡検査が行われます。