腸閉塞(イレウス)

■腸閉塞(イレウス)

<症状>

  • 何らかの原因で腸管がふさがり、食物や消化液、便などの通過障害が起きた状態をいいます。
  • 腹部膨満などの症状のほかに、腹痛、吐き気、嘔吐がみられ、便やガスがまったくでなくなります。腹痛は、差し込むような痛み(疝痛)で始まり、しばらくすると軽減しますが、再度出現してきて繰り返します。
  • 血流障害をともなう絞扼性イレウスでは重症化しやすく、持続的な激しい腹痛、発熱、頻脈、ショック状態になることがあります。また、血流が妨げられるために腸管が壊死を起こし、穴が開いて(穿孔:せんこう)腹膜炎を合併することがあります。
  • 腹膜炎を併発するとショック状態になり、生命の危険が大きくなります。

<原因>

  • 腸閉塞(イレウス)の原因は大きく2つに分けられます。
  • 1つめは機械的イレウスで、開腹手術後に起こる癒着や大腸癌などの腫瘍による閉塞、腸捻転などが原因となります。
  • 2つめは、機能的イレウスで、腸管運動の低下や開腹手術後による腸間麻痺、腸管のけいれんなどが原因となります。

<治療>

  • 絞扼性イレウスの場合は、全身状態が急激に悪化するため、緊急手術が必要となります。
  • 上記以外のイレウスの場合は、胃管やイレウス管を鼻から挿入して、胃や腸管内の内容物やガスを吸引して、消化管内の減圧を図ります。
  • 嘔吐や吸収障害によって生じた脱水や電解質異常に対しては、輸液療法を行います。