■直腸がん
<症状>
- 大腸にできるがんとして、結腸がんと直腸がんがあります。大腸がんの約3分の1が直腸がんです。
- 直腸がんとは、直腸の粘膜にできた悪性の腫瘍をいいます。
- 血便や粘液便のほか、便が出にくかったり細くなったりします。また、便秘と下痢をくり返す便通異常や排便後の残便感、腹痛もみられます。
- 初期の場合は自覚症状がなく、血便も肉眼ではわからない状態です。
- がんが進行すると、貧血や体重減少が生じます。
- 40歳代から増加していき60歳代が最も多くなっています。男女比では、5:4で男性に多くみられます。
<原因>
- がんが発生する原因は明らかになっていませんが、大腸がんの家族歴がある人に多く発病しています。
- 上記のほか、食生活の欧米化や食物繊維の摂取不足、動物性脂肪の摂取量増加も考えられます。
<治療>
- 原則として、がんを切除する手術が行われます。
- がんが小さく早期の場合は、肛門側から行う内視鏡的ポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)によって切除します。ほかに、内視鏡的治療が困難な大きなポリープや早期がんを対象とした腹腔鏡下手術も行われています。
- 肛門側からの手術が難しい場合は、開腹手術になります。
- がんが大きい場合は、直腸切除術を行います。
- がんの浸潤が疑われる部位はできるかぎり切除します。
- 直腸とともに肛門も切除し人工肛門を造設する直腸切断術(マイルス手術)、や肛門は残すが人工肛門を造設するハルトマン手術などが行われる場合もあります。