■心不全
＜症状＞
- 心臓のポンプ機能が低下して、心拍出量が減少し、各組織に十分な血液を送り出せなくなった状態を心不全いいます。
- 急激に発症した心不全の場合を急性心不全といい、心臓機能が徐々に低下し病状や経過が長期にわたる場合を慢性心不全といいます。
- 心不全の主な原因が左心系の左心室で起こり、左心室の機能が低下する場合を左心不全といい、心不全の原因が主に右心系の右心室で起こり右心室の機能が低下する場合を右心不全といいます。
- 左心不全では、肺にうっ血が起こるため労作時の息切れや起座呼吸、喘鳴、夜間の咳嗽、激しい呼吸困難がみられます。また、手足の爪や唇が青紫色になるチアノーゼがみられます。
- 右心不全では、静脈がうっ血するため肝臓のうっ血、頸静脈の怒張、浮腫（特に下肢）、腹水、食欲不振などがみられます。
＜原因＞
- 急性心不全は、急性心筋梗塞や心筋炎、肺梗塞などが原因で起こります。
- 慢性心不全は、高血圧症や心臓弁膜症などの様々な原因疾患が重症化した場合に起こります。
＜治療＞
- 安静にして、血圧をコントロールし塩分や水分の摂取を控えて心臓の負担を軽減していきます。
- うっ血の治療としては、水分排泄を促すために利尿剤を使用します。
- 末梢の血管を拡張させて弱った心臓の負担を和らげて心不全を軽くするために血管拡張剤を使用します。また、心筋の収縮力を強めるために強心剤などを組み合わせて治療していきます。
- 呼吸困難に対しては酸素を使用します。