本態性高血圧

■本態性高血圧

<症状>

  • 高血圧の診断基準は、最高血圧が140mmHg以上、最低血圧が90mmHg以上を高血圧と定めています。
  • 本態性高血圧症は、血圧を上昇させる原因がはっきりしないタイプで、高血圧症の9割以上を占めています。
  • 特徴的な症状はありませんが、人によっては肩こりや頭重感、不眠、動悸、倦怠感などを感じることがあります。
  • 中高年に多くみられます。

<原因>

  • 遺伝的素因のほか、塩分の取りすぎ、過度の飲酒、肥満、喫煙、ストレスなどが血圧を上昇させると考えられています。

<治療>

  • 塩分を控えた食事をする(高血圧患者の1日摂取目標は7g以下)、暴飲・暴食を避けて適度な運動を心掛ける、禁煙をするなど生活習慣を改めます。
  • 生活習慣を改めても高血圧が改善しない場合は、薬物療法として降圧薬が使用されます。
  • 降圧薬には、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬、カルシウム拮抗薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬など様々な種類の薬剤が用いられます。
  • アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
    • 血圧を上昇させるホルモンのアンジオテンシンIIの働きを抑えます。主な副作用として、立ちくらみや動悸があげられます。
  • アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
    • アンジオテンシンIIの産生を抑えます。主な副作用として乾いた咳や血管浮腫などがあげられます。
  • カルシウム拮抗薬
    • 血管を拡張させて血圧を下げます。主な副作用として、動悸、頻脈、顔のほてり、足のむくみなどがあげられます。
  • 利尿薬
    • 尿量を増やし、血中の塩分の排泄を促進して血圧を下げます。主な副作用として、低カリウム血症や高血糖があげられます。
  • β遮断薬
    • 心臓の緊張を抑えて脈拍数を減らし、血圧を下げます。主な副作用として、喘息の誘発や徐脈があげられます。
  • α遮断薬
    • 血管を収縮させる神経の働きを抑えて血圧を下げます。主な副作用として、めまい、貧血、立ちくらみなどがあげられます。

<家庭で血圧測定する場合>

  • 食事や入浴の直後は避けて、毎日決まった時刻に測定します。
  • 腕はなるべく心臓と同じ高さにして、リラックスして測定します。
  • 朝起床後の血圧が高い場合は、早期高血圧といい、睡眠中も血圧が高い状態が続いて脳や心臓、また腎臓などに負担がかかっている場合もあるため注意して下さい。