■喉頭がん
<症状>
- 嗄声(させい:声がれ)とのどの違和感が主な症状です。嗄声(させい:声がれ)が1カ月以上続く場合は、必ず専門医の診察を受けてください。
- がんが進行すると、飲み込むときの違和感や痛みを感じるようになり、血痰もみられます。
- さらに進むと、喘鳴や呼吸困難を生じるようになります。
<原因>
- たばこや飲酒との関係が深く、喉頭がん発生のリスクを確実に高くしています。男性患者では90%が、女性患者も80%が喫煙者です。
- 大きな声を出す人にも多く発症しています。
- 喉頭がんの罹患率は、男性では50歳代から80歳代まで急激に増加します。
- 罹患率、死亡率は、ともに男性のほうが高く、女性の10倍以上といわれています。
<検査>
- 口腔内に喉頭鏡や内視鏡を使用して診察していきます。
- 喉頭鏡や内視鏡で腫瘍が発見された場合は、生検と呼ばれる病変の一部を採取して、良性腫瘍なのか悪性腫瘍なのかが調べられます。
- 上記の他に、エックス線検査やCT、MRIなどで腫瘍の大きさ、広がりなどを知ることができます。
<治療>
- 比較的治りやすいがんで、ごく初期の場合は放射線治療が有効です。
- 進行している場合は、手術を行います。
- 早期から中期のがんの場合は、喉頭部分切除術が適応となります。切除範囲によりもとの声に近いものとなります。声帯にまで及ぶと、嗄声(させい:声がれ)などが残ります。
- 進行したがんの場合は、喉頭全摘出術が行われます。
- 喉頭全摘出術では、声帯がなくなるため、もとの声は失われ頸部に呼吸のための気切孔(あな)をつくります。しかし、術後に食道発声や人工喉頭により会話ができるようになります。
- 喉頭全摘出後でも、治療前と同じような食事摂取が可能です。
<生存率>
- がんの発生部位によって多少違ってきますが、Ⅰ期では80~90%放射線で治り、Ⅰ~Ⅳ期では65~70%の5年生存率です。