慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

■慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

<症状>

  • 慢性的に鼻詰まりがあり、鼻をかむと膿のような粘り気のある鼻汁が出ます。鼻汁がのどへ流れることもあります。
  • 鼻の粘膜の腫れにより鼻詰まりが生じます。また、鼻詰まりによる頭重感が強まり、集中力や記憶力が低下することもあります。
  • 頬や鼻のつけ根に鈍痛を感じたり、目の奥が痛くなることもあります。

<原因>

  • 鼻腔には、粘膜の層があり、通常はそれが病原体の侵入を防いでいます。しかし、風邪などに感染すると、粘膜が荒れ防衛機能が低下し、細菌が増える状態が続きます。
  • もともとの鼻、副鼻腔の形によって鼻と副鼻腔との交通路が狭くなっていると、分泌物や異物の排泄が妨げられると考えられます。
  • 長い間炎症が続く事によって粘膜がはれて、ひどくなると、鼻腔に鼻茸(はなたけ)→鼻内のポリープができます。
  • 粘膜が腫れることによって、副鼻腔から鼻腔への出口が狭くなり、膿が副鼻腔にたまるようになります。この病気が蓄膿症といいます。
  • 鼻や副鼻腔の粘膜には粘液繊毛機能といって、細菌などの異物を毛が動くことで膿を運搬しています。炎症が起こる事によって、その動きが止まってしまい、膿が排泄されなくなります。この機能が生まれつき弱い人もいます。
  • ハウスダストなどのアレルギー性鼻炎による鼻粘膜の腫脹も、慢性副鼻腔炎の原因になると考えられます。

<治療>

  • 耳鼻咽喉科で定期的に鼻汁を除去してもらい、鼻の通りをよくします。
  • 鼻汁を柔らかくして出しやすくする薬を内服したり、鼻のネブライザーを使用します。
  • 最近では、マクロライド系の抗生剤を通常よりも少し減らした、少量長期投与(約2~3ヶ月間)することで粘膜に良い影響があるといわれ、現在この方法が一般に用いられています。
  • 治療効果については、X線やCTで調べますが、あまり改善がみられない場合は手術を行います。
  • 今までは、上顎洞篩骨洞根本術といって上唇と歯肉部の間を切開する方法が主流でした。しかし、最近は切開せずに内視鏡を用いて手術を行う病院が増えてきています。
  • 内視鏡は、鼻腔にカメラを挿入し、モニターで鼻腔内部を見ながら行い、副鼻腔と鼻腔の交通を良好にし、膿や粘液を出やすくするのが手術の中心です。
  • 風邪をひいてから1週間しても粘性の鼻汁がとまらない時は、慢性副鼻腔炎になりかけている可能性があるため、早めに耳鼻科を受診して下さい。