■風疹(三日ばしか)
<症状>
- 風疹ウイルスに感染後、14~21日の潜伏期ののち、発熱と同時に全身に赤く細かい発疹が出ます。
- 発熱は一般に軽く、出ないこともあります。
- 発熱と発疹は、通常3日ほどで消え、三日ばしかとも呼ばれています。
- また、耳の後ろや首などのリンパ節が、発疹が出る数日前から腫れ、3~6週間ほど続きます。
- 成人では、関節炎を伴うことがありますが、ほとんどは一過性です。
- 感染しても症状を示さない不顕性感染が20~50%程度あるとされています。
- まれに血小板減少性紫斑病(3~5千人に1人)、急性脳炎(4~6千人に1人)といった合併症を起こすことがあります。
- 妊娠初期の女性が感染すると、胎児が風疹ウイルスに感染して、聴力や視力、心臓の機能などに障害をもって生まれることがあります。これを先天性風疹症候群(CRS)といいます。
- 先天性風疹症候群(CRS)の発生率は、感染した時期と関連しており、妊娠3ヶ月以内での感染は危険性が高く、6ヶ月以降ではほとんど危険性がないと考えられています。
<原因>
- 風疹ウイルスの感染によって起こります。
- 冬から初夏にかけて患者数が増加するといわれています。
- 幼児から学童期の小児に多くみられます。しかし、最近では思春期や成人の占める割合が高まっています。
- 感染経路は飛沫(ひまつ)感染です。
- 感染する期間は、発疹の出る数日前から発疹出現後5~7日後までです。
- 通常、一度かかると免疫ができ、再び感染しても発症することはありませんが、再感染が先天性風疹症候群(CRS)の原因になることがまれにあります。
- 風疹にかかったら、妊婦に接触しないようにする配慮が必要です。
<治療>
- 特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。
- 発熱、関節炎などに対しては解熱鎮痛薬を使用します。
- 2~3歳になると、風疹にかかる人が急に増えるため、予防接種は、1~3歳の間に受けることがすすめられています。保育園や幼稚園に行く人は、麻疹(はしか)に続いて入園の前にすませておくとよいでしょう。
- 大人でも風疹にかかった記憶がない女性は、血液検査で抗体の有無を調べ、妊娠の可能性のない時期に予防接種(弱毒生ワクチン)を受けておくのがおすすめです。
- 発疹が出てる間はうつるため、登園・登校は「発疹が消えるまでは休むこと」が法律で決められています。
- 予防接種を受けた100人中4人以下の人に、軽い発熱、発疹、リンパ節腫脹などがみられます。