麻疹(はしか)

■麻疹(はしか)

<症状>

  • ウイルス感染後10~12日の潜伏期間をえ経て、鼻水、咳やくしゃみ、結膜の充血、目やになどの症状と、38℃前後の発熱が数日続きます。
  • 次いで、頬の裏の粘膜に白色の小水疱(コプリック斑)がみられます。
  • 3~4日目にいったん熱が下がりますが、再び高熱になり、同時に発疹が出ます。
  • 発疹は赤いちいさなもので、耳の後ろから顔、体、手足へ広がります。
  • 発疹が全身に広がるころに熱が下がり始め、回復していきます。
  • 数日で発疹は、褐色のしみのような状態になり色素沈着を残しますが、時間の経過とともに消えていきます。
  • 発病から10日~2週間程度で一般状態は改善します。しかし、肺炎や中耳炎を合併することもあり、入院率は約40%といわれています。
  • 1000人に0.5~1人の割合で脳炎を、ごくまれには、10万人に1人の割合で、感染後約10年を経てから亜急性硬化性全脳炎という重い合併症を起こすことがあります。

<原因>

  • 麻疹ウイルスの感染によるものです。
  • 冬の終わりから春にかけて患者数が増加します。
  • 乳児期後半から幼児期に多くみられますが、最近は20代前半での発症もまれではありません。
  • 通常、はしかは一度かかると免疫ができて再びかかることはありません。
  • 感染経路は、空気感染、飛沫(ひまつ)感染、接触感染です。
  • 周囲への感染性があるのは、発病1~2日前から発疹が出て4~5日後までで、とくに感染力が強いのは、発病から発疹が出始めるまでです。

<治療>

  • 特別な治療法はなく、症状を緩和する対症療法が中心となります。
  • 細菌感染による合併症があれば、抗生剤を使用します。
  • 予防接種(生ワクチン)して発症そのものを予防することが最も重要です。定期接種として通常、生後12ヶ月~90ヶ月の場合は公費負担で受けられます。厚生労働省は2004年1月より生後12~15ヶ月でのワクチン接種をすすめています。
  • 予防接種を受けていない子が麻疹の子と接触した場合は、接触後48時間以内に予防接種を受けるか、5日以内にγ-グロブリン製剤の注射を受けると、発症を予防したり、軽くてすむ可能性があります。
  • 麻疹では、高熱が続き脱水や、ビタミン欠乏になりやすいため、水分や栄養の補給に気をつけましょう。