腰椎椎間板ヘルニア

■腰椎椎間板ヘルニア

<症状>

  • 椎間板内部の髄核が飛び出してしまうものを椎間板ヘルニアといい、多くは腰椎4番目と5番目の腰椎の間の椎間板か、腰椎5番目と仙骨1番目の間に起こります。
  • ぎっくり腰のように、腰に突然激しい痛みが出現する場合と、痛みが徐々に強くなる場合があります。
  • 腰痛のほかに下肢のしびれや痛み(坐骨神経痛)が生じます。体を動かすと痛みが強くなるため咳やくしゃみでも激痛が走ります。

<原因>

  • ぎっくり腰を何度も繰り返しているうちに、腰椎椎間板ヘルニアに移行する場合があります。
  • 椎間板は背骨を構成する椎骨の間にある軟骨で、椎骨にかかる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。
  • 椎間板は、加齢とともに衰えてきます。20歳~30歳代の運転、事務、看護・介護の仕事をしている人に多くみられます。
  • 繊維輪(椎間板の周辺部分)に亀裂が生じ、髄核(椎間板の中心部分)が飛び出して腰髄の神経根を圧迫した結果痛みが生じます。

<治療>

  • 腰痛や坐骨神経痛が激しい急性期の場合は、安静にして鎮痛剤の内服や座薬、筋弛緩薬、また神経の機能低下を防ぐために、ビタミンB12の内服や注射を併用する場合もあります。
  • 急性の痛みがとれない場合は、神経根ブロックや硬膜外ブロックの注射を行い痛みを除去します。
  • 活動時の場合は、コルセットを着用すると痛みが軽減するといわれています。
  • ほとんどの人は、上記の保存療法(手術以外の治療)で軽快します。しかし、各種の保存的療法を2~3ヶ月行っても下肢のしびれや疼痛が激しい場合は、はみだしている椎間板の髄核を除去する手術を行います。