腎臓結石・尿管結石

■腎臓結石・尿管結石

<症状>

  • 腎盂(じんう)や腎杯(じんぱい)に結石があれば「腎臓結石」といい、尿管に結石があれば「尿管結石」といいます。これら2つを上部尿管結石とも呼びます。ちなみに、下部尿管結石とは、膀胱内に結石がある膀胱結石と、尿道に結石が引っかかっている尿道結石をいいます。これら全てをを総称して尿路結石といいます。
  • 「膀胱結石」は、結石が膀胱に下降してきたもの、尿道まで降りずに膀胱内にとどまって大きくなったものです。前立腺肥大症や排尿障害があると発症しやすくなります。
  • 「尿道結石」は、尿道に降りた結石がとどまっていることが多いのですが、まれに尿道で結石ができることもあります。女性より尿道の長い男性に多い病気です。
  • 腰やわき腹から下腹部にかけて鈍い痛みを感じます。
  • 強い痛みの発作(疝痛発作)が起こることもあり、その場合は、あまりの痛さで冷汗や吐き気を伴います。
  • 「腎臓結石」が尿管に詰まると、わき腹が痛みます。
  • 「尿管結石」では、わき腹から背中にかけて、とてつもない激しい痛み(疝痛発作)が起こり、結石が下降するに従って、痛みは外陰部から大腿部へ放散します。
  • 下部尿管結石の場合は、頻尿・残尿感・排尿痛も起きます。
  • 血尿は、肉眼でわかるものから、検査でしか確認できないものと様々です。(発作を起こす前日や数日前に、血尿みられた方もいます。)

<原因>

  • 尿中のシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどが結石をつくり、腎盂や腎杯、尿管にとどまって起こります。
  • 尿路結石症の原因として、なぜ結石ができるかは不明ですが、尿路の通過障害、尿路感染、高尿酸血症などの内分泌・代謝異常、脳や脊髄の損傷などがあると発症しやすくなります。
  • 尿管に長期間結石がとどまっていると、水腎症を引き起こします。

<治療>

  • 小さい結石(5mm以下)は、尿とともに自然排出するものが大部分ですが、尿管を下降するときに疝痛発作が起こります。そこで、鎮痛剤によって痛みを抑えながら、水分を十分に摂取(1日2000mL以上)して結石の排出を促します。
  • 結石が大きくて尿管から膀胱に下降しない場合や、サンゴ状結石ができて結石が腎盂全体を埋めている時は、体外から衝撃波を与えて結石を破壊して尿とともに排出する方法(体外衝撃波結石破砕術)や、内視鏡を使用して結石を摘出する方法がとられます。
  • 結石を予防するには、動物性タンパク質の過剰摂取など偏食を避けて、マグネシウムや食物繊維の多い野菜類、海草類を摂取するように心掛けましょう。また、日ごろから水分を十分にとる様にして下さい。
  • 縄跳びなどで十分にからだを動かすようにしたり、普段から運動をするように心掛けることも重要です。