■インフルエンザ
<症状>
- 普通のカゼは、喉(のど)・鼻汁・咳が中心で、熱もインフルエンザほど高くなく、重症化する事はほとんどありませんが、インフルエンザでは、38℃以上の発熱、とにかく40℃近い熱が出るのが特徴です。
- 次に、頭痛・関節痛・筋肉痛などが特徴で、上記と合わせて症状が出る事もあります。更に、気管支炎・肺炎などを併発し重症化する事もあります。
<予防>
- まず、重要なことは、予防として、「うがい」、「手洗い」をし、咳をしている人が多い所では、マスクをするなど十分気をつけることです。
- さらに、事前にインフルエンザワクチンを打つことにより、発症を約80%前後、減らすことができるといわれています。
- インフルエンザワクチンの効果期間
- インフルエンザワクチンを受って効果が出るまで、個人差はありますが、通常2週間程かかるとされており、約5ヶ月間効果が持続すると言われています。
- インフルエンザワクチンを接種する時期
- インフルエンザの流行は、12月下旬~3月下旬が中心になるので、12月上旬までに接種するのがよいと思われます。
- インフルエンザワクチンの接種
- ワクチンは、腕に皮下注射になります。
- 接種後は、発赤・腫れ・痛がゆさを伴う事がありますが、2~3日で消失します。
- 5~10%で、発熱・頭痛・寒気・体のだるさがみられるが、これも2~3日で消失するといわれています。
- インフルエンザワクチンの注意事項(ワクチンを受ける事が適当でない人)
- 基礎疾患のある方:気管支喘息などの呼吸器疾患、糖尿病、腎不全など
- 予防接種でアレルギーやショックを起こした事がある方
- 明らかに発熱している方(通常は37,5℃以上を超える場合)
- いずれにしても、インフルエンザワクチンの前に医師による問診があり、その時接種の可否が判断されます。
- インフルエンザワクチンの費用
- 予防接種は、病気でない為健康保険が適用されません。原則として全額自己負担となります。
- 市区町村によって、予防接種期間や自己負担額が異なるので、それぞれ近くの病院や市区町村で、お問い合わせした方がいいです。
<治療>
- インフルエンザ検査では、綿棒で両方の鼻の粘膜をこすり、それをインフルエンザキットで検査し5~15分後に判定がでます。
- インフルエンザに感染した場合
- インフルエンザに感染して、症状がでてから、3~7日間はウイルスを排泄するといわれています。
- インフルエンザと病院で診断された場合、タミフルという薬の服用で、通常熱が下がります。(服用基準は下記参照)
- 熱が下がっても、うつす可能性は高いので、人の多く集まる場所は避けた方がいいです。(マスクをする事も、おすすめします。)
- 症状が改善されても、まずは無理をせず、十分に体力が回復してから、仕事復帰するのが良いでしょう。(復帰目安の期間に、特に決まったものはありません)
- 学校保健法では、「解熱した後、2日を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています。
- タミフルの効用
- インフルエンザに感染した場合、病院で処方してもらったタミフルという薬を、48時間以内に服用すると効果があるため、上記の症状がある場合は、すぐに病院を受診し、インフルエンザ検査を受ける事をお勧めします。
- タミフルはインフルエンザが発症してから48時間以降に服用しても効果がないと言われています。
- タミフルの注意事項
- 2007年に、タミフル服用後、子供の突発的な飛び降り事故が報告されています。
- タミフルにより、異常行動を起こしているかどうかは明らかになっていませんが、服用には十分注意が必要です。
- このような事故を踏まえ、2007年に、厚生労働省よりタミフルの服用基準が発表されました。
- 「小児・未成年者」:使用可。万が一の事故を防止するための予防的な対応として、タミフルによる治療が開始された後は、(1)異常行動の発現のおそれがあること、(2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて、医師は患者・家族に対し説明を行うこと。
- 「10歳以上の未成年の患者」:原則使用不可。合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則としてタミフルの使用を差し控えること。
- 「20歳以上」:使用可
<注意事項>
- 解熱剤は、インフルエンザウイルスを殺す治療薬でない為、解熱剤だけを使用しても決して良くなりません。
- インフルエンザ脳症(脳炎)を起こした患者さんで、ジクロフェナクナトリウム(商品名「ボルタレン」他)という解熱剤を使用した場合、死亡率が高くなる事が判明したといわれています。
- 高熱が出た場合、解熱剤飲むのでなく、まずは医師に相談するようにして下さい。