慢性頭痛は、「群発頭痛」、「緊張型頭痛」、「片頭痛(偏頭痛)」の3つに分けられます。
■群発頭痛
<症状>
- 片目の奥をえぐられる様な痛みがあり、痛くてじっとしていられないのが特徴です。(慢性頭痛の中で、最大の強烈な痛みといわれています。)
- 起こる時期は、2年に1回から毎年1~2回という人が多い。
- 冬の季節に多く、明け方など決まった時間帯に現れやすい。
- 頭痛がある間、痛みのある側が充血したり、その他、鼻水・涙・瞼のむくみといった症状を伴います。
- 男性に多いです。
- タバコをよく吸う人、お酒をよく飲む人に多いです。
<原因>
- 原因は不明ですが、目の後ろあたりにある太い血管が拡張し、周りにある神経が刺激されて起こるといわれています。
■緊張型頭痛
<症状>
- 後頭部から首にかけての筋肉が突っ張り、頭がしめつけられる様な痛みがあります。
- 目の疲れ、だるさ、眩暈(めまい)といった症状を伴う事が多いです。
- 一日中パソコンを使う人に多いです。
- 首を回すと、フワッと一瞬、眩暈(めまい)を伴う事もあります。
<原因>
- 急に寒くなった時など、筋肉が突っ張り、頭をしめあげる事によって起こると言われています。
- ストレスや精神的な緊張も関係します。
■片頭痛(偏頭痛)
<症状>
- 頭の片側が痛むのが特徴ですが、両側の時もあります。
- こめかみがズキンズキンと脈に合わせて痛みます。
- 痛みのピークに吐き気があり、嘔吐する時もあります。
- 頭を振ったり、体を動かすと痛みが強くなります。
- 頭痛が起こる前に、何らかの前ぶれ症状が起こる場合があります。(例えば、生あくび、肩こり、首筋の張り、視野が欠けるなど)
- 現在、片頭痛(偏頭痛)の患者さんは840万人程度いると言われていますが、実際に病院受診している方は、その10分の1程度と予想されています。
- 片頭痛(偏頭痛)は、20~50歳代の女性に多いと言われています。(多くは、30歳までに発症します)
<原因>
- 脳の血管の周りに何らかの原因で神経の炎症ができ、脳の血管が拡張して起こると言われています。
<女性の片頭痛(偏頭痛>
- 女性に多いタイプは、「月経関連片頭痛」といわれ、生理前・排卵日前後にでる事が多いです。いわゆる女性ホルモンが低下し始める時に、脳の血管が反応して開き起こるそうです。
<子供の片頭痛(偏頭痛)>
- 片頭痛の子供は、乗り物酔いする子供が殆どと言われています。
- 痛みの特徴として、お腹の痛みの方が強いと言われています。
<男性の片頭痛(偏頭痛)>
- 通常、40歳を過ぎると片頭痛が消えていきます。年をとって、又出てくるのは、おそらく血圧が上昇して脳の血管を押し広げているためと思われます。
- お酒を飲んで頭が痛くなる場合、一番多いのは、副鼻腔炎の場合と言われています。
<誘因>
- 睡眠不足などの生活の乱れ
- 月経・女性ホルモンの影響
- 休日にゆっくりし過ぎて、寝過ぎた時
- 熱いお風呂・サウナに入った時
- 緊張から解放されて、ホッとした時
- 人ごみの中
- アルコール
- 自律神経の影響
<対策>
- 片頭痛(偏頭痛)が、月に1~2回と軽い時は市販の薬で大丈夫だと思われます。ただ、痛み止めで、ずっとごまかそうとすると、脳が敏感になって頭痛の回数が増えていきます。
- 片頭痛(偏頭痛)は、血糖値が下がる時に起きやすいため、朝・昼・晩と食事をきちんと摂取します。
- 子供の場合、朝御飯ぬきで学校に行くと片頭痛(偏頭痛)発作を起こしやすいと言われています。
<片頭痛(偏頭痛)を予防する食べ物>
- 「ビタミンB12」:レバー、牛乳、干し椎茸、うなぎ、など
- 「マグネシウム」:ひじき、ほうれんそう、納豆、牡蠣、など
- 「カフェイン」:コーヒーなどでの適度なカフェイン摂取も片頭痛(偏頭痛)に効果的と言われています。しかし、取り過ぎは禁物です。カフェイン依存症の中毒症状で、イライラを起こすなど新たな頭痛の原因になりやすいと言われています。
- コーヒーでのカフェインの取り方:
普通のコーヒーカップの場合、1日に3杯まで時間をかけて飲みます。
ミルクと砂糖入りの方が、頭痛を予防します。(ミルクは、ビタミンB12を含んでおり、砂糖は血糖を上昇させ頭痛の予防効果があると言われています。)
- コーヒーでのカフェインの取り方:
- なお、「赤ワイン」は、頭痛を引き起こしやすい飲物と言われています。片頭痛(偏頭痛)の方は、血流を良くすると起きるためです。
<受診科>
- 一般的には、「神経内科」か「脳神経外科」ですが、最近は専門の頭痛外来があるので、そちらを受診するのが良いと思われます。
- 最後に、片頭痛(偏頭痛)を頻回に起こしていると、1回の度に脳の血管に炎症を起こしている事になり、放っておくと脳梗塞になったりと危険性があるため、専門の医者に診て頂いた方が良いと思われます。