■食道がん
<症状>
- 食道にできるがんの総称です。
- 食道がんは食道粘膜を覆っている扁平上皮に発生する扁平上皮癌が90%以上を占め、それに次いでバレッド食道に発生する腺がんが多くみられます。
- 50歳代後半から増加し始め、男性は女性に比べて急激に増加します。
- 発症初期は無症状のことが多く、しだいに食べ物を飲み込んだときや熱いものを飲み込んだときにしみるような感じがします。 ※がんが大きくなると、この症状が無くなってしまうため注意して下さい。
- がんが大きくなり進行すると、固形物が飲み込みにくくなり体重減少もみられます。
- 食道がんの転移は、食道の周囲のリンパ節だけでなく、腹部や首のリンパ節に転移することもあります。また、血液の流れに入り込んだがんは、肝臓、肺、骨などに転移します。
<原因>
- がんが発生する原因はわかっていません。
- 喫煙や飲酒がリスク要因といわれています。
- 上記のほか、患者さんが50歳代以降の男性に多いことから、加齢も発症リスクを高めると考えられます。
<治療>
- 粘膜よりも下層に達していない早期がんでは、内視鏡を使ってがんのある粘膜を切り取り治療することができる場合もあります。
- 粘膜下層に達したがんの場合は、がんを含め食道全部とリンパ節を含む周囲の組織を切除します(リンパ節郭清)。
- 食道を切除した後は、胃管をのどまで引き上げて食道の代わりとする再建術も行われます。
- 手術が難しい場合は、食道にステントを入れたり、放射線療法や化学療法を単独または併用して治療が行われます。