■胃ポリープ
<症状>
- 胃の粘膜に局所的にできた隆起のことで、良性腫瘍の一種です。
- 一般的には無症状で、検診の胃のバリウム造影検査(X線検査)で見つかる場合が多いです。
- 最も多い過形成性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、腺腫性ポリープなどがあります。
- 過形成性ポリープ
- 粘膜細胞の増殖がみられ、ポリープはふつう小さく球状で発赤がみられます。
- 過形成性ポリープは、年齢と共に増加する傾向にあり、ときに直径1㎝以上に大きくなることがあります。出血やびらんがみられることもありますが、がん化する可能性は低いようです。
- 胃底腺ポリープ
- 胃底腺ポリープは、女性に多く、胃底腺の粘膜に発生し数mmから1cm未満の半球状の表面平滑なポリープです。
- このポリープが悪化して、がん化することは極めてまれで治療の必要はありません。
- 腺腫性ポリープ
- 表面は平滑でやや白く、発赤やびらんをともなうことはありません。
- がん化率が高く、早期胃がんとの区別が困難な例もあるため、注意が必要です。
<ポリープの分類>
- Ⅰ型:隆起の始まりの境界が不明瞭でなだらかなものをいいます
- Ⅱ型:隆起の始まりは明瞭だが、くびれがみられないものをいいます
- Ⅲ型:隆起の始まりにくびれがみられるが、茎(くき)はないものをいいます
- Ⅳ型:明らかな茎(くき)があり、圧迫すると隆起の頭部が向きを変えるものをいいます
<原因>
- ポリープが形成される直接の原因はわかっていません。
- 年齢が高くなるほど、発生率が上がる傾向にあります。
<治療>
- 過形成性ポリープの場合、小さなものは治療の必要がなく年1回の経過観察をしていきます。大きなものは内視鏡的治療により切除していきます。
- 胃底腺ポリープの場合、治療の必要はなく放置して心配ないといわれています。
- 腺腫性ポリープの場合、小さなものは半年~1年に1回の検査で経過観察します。経過観察中に2センチ以上大きくなったり、がんとの識別がはっきりしないものは、診断的治療目的で内視鏡的治療により切除していきます。