肝硬変

■肝硬変

<症状>

  • 慢性肝炎が長期化して、肝細胞が破壊され組織が線維化して肝臓が硬くなる病気です。
  • 肝硬変に特徴的な自覚症状はなく、一般的には全身倦怠感、易疲労感、食欲不振、腹部膨満感、微熱、腹痛などを訴えることが多いようです。
  • 次に、皮膚がどす黒くなり、毛細血管(首、前胸部、肩など)にくも状の拡張(くも状血管腫)がみられたり、手のひらのふくらんだ部分が赤くなるなどの症状がみられてきます。
  • 進行して肝細胞が壊死すると、酸素や栄養が十分供給されなくなり、肝機能がさらに低下し、次のような症状が出現してきます。
  • 黄疸
    • 末期には高度の黄疸が出現してきます。
  • 腹水・浮腫(むくみ)
    • 血液中のタンパク質が低下することによって浮腫、また腹水がたまってきます。
  • 肝性脳症
    • 肝臓で解毒できなくなった有害物質が脳内に入り、意識障害が起こります。
  • 門脈圧亢進症
    • 門脈は、消化管から栄養を集めて肝臓へ送り込む血管です。(門脈には腸全体、脾臓、膵臓、胆嚢から流れ出る血液が集まります。)
  • 肝硬変で肝臓が硬くなるために、肝臓内で門脈枝や肝静脈の圧迫が生じ、門脈の内圧が持続的に上昇します。その結果、門脈の内圧が上昇し、血管が変形してこぶ状になり静脈瘤が形成されます。
  • 静脈瘤は、食道や胃はもちろん、十二指腸、直腸、小腸、結腸にも発生します。この静脈瘤が破裂すると大量に出血(吐血・下血)し、出血性ショックや肝不全などを引き起こします。(肝硬変では、止血機能が低下しているため。)

<原因>

  • 原因の7~8割は、肝炎ウイルスによるものです。
  • C型肝炎ウイルスによるものが最も多く、次にB型肝炎ウイルスです。
  • 上記の他、アルコール性肝障害自己免疫性肝炎から進行する場合もあります。

<治療>

  • 肝硬変を根治させる方法はないため、残された肝臓の機能を助け、肝臓癌への移行を遅らせることと、合併症をコントロールすることが大切となります。
  • GOT、GPTの値を下げる目的で、ウルソデスオキシコール酸(ウルソ)の服用、また肝硬変の進行を抑える目的で、グリチルリチン配合剤(強力ネオミノファーゲンCの注射などが用いられます。服用することもあります。
  • 肝硬変では胃潰瘍が起きることがあるため、胃酸の働きを抑制する薬剤を
  • 腹水に対しては、利尿剤(アルダクトンA、ラシックスなど)を使用し、効果が無ければ、アルブミン製剤を用います。
  • アンモニアの上昇に対しては、ラクツロース、アミノレバン、下剤等(アンモニアは腸内で発生するため)が用いられます。
  • 以前、GOT,GPTの値を下げるために効果があるとして、小柴胡湯(漢方薬)が使用されましたが、平成12年1月、重篤な副作用である間質性肺炎の出現により、肝硬変や肝がんの患者さんへの投与は禁忌となりました。(厚生省により)
  • 生活面では、過度な運動や重労働は避け、食事は高たんぱく、適正エネルギーの食事をとって栄養のバランスを心がけます。
  • 飲酒は肝臓に負担をかけるため、禁酒する必要があります。
  • 消化管出血や肝性脳症を起こした場合は、生命にかかわるため、緊急の処置必要です。

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