卵巣がん

■卵巣がん

<症状>

  • 腹部膨満感(太ったと勘違いする人が多いです。腹水が溜まっている可能性もあります)、腹痛、食欲不振、頻尿などの症状がみられます。
  • 年齢別にみた罹患率は、40歳代から増加し、50歳代前半でピークを迎えてほぼ横ばいになり、80歳以上でまた増加します。

<原因>

  • 直接的な原因はわかっていません。
  • 最近では、遺伝的な背景も考えられています。
  • 不妊症、高年齢出産、晩婚、肥満、子宮内膜症などが誘因としてあげられます。
  • 卵巣は腹腔内で、卵管にぶら下がる様についていて、かつ親指ほどの大きさの為、病変を初期に発見する事は困難です。
  • その上、自覚症状も現れにくい為、発見された時は、かなり進行した状況になっている事が多いです。診断がついたものの、70%はⅢ~Ⅳ期といわれています。

<卵巣がんの病期(ステージ)>

  • 「Ⅰ期」:がんが片側、あるいは両側の卵巣にだけとどまっている状態
  • 「Ⅱ期」:がんが卵巣の周囲、つまり卵管・子宮・直腸・膀胱などの腹膜に転移している状態
  • 「Ⅲ期」:がんが卵巣の周囲(骨盤内)の腹膜だけでなく、上腹部にも転移しているか、あるいは後腹膜リンパ節に転移している状態
    後腹膜とは、腹腔の背側にある腹膜と背骨や背筋との間の領域で、大動脈・下大静脈・腎臓・尿管などのある場所です
  • 「Ⅳ期」:がんが腹腔外に転移しているか、あるいは肝臓に転移している状態

<治療>

  • 治療方法は、外科療法(手術)・放射線療法・化学療法があります。
  • Ⅰ、Ⅱ期は、手術によって完全に切除できますが、Ⅲ、Ⅳ期は、手術だけで完全に取り除く事が出来ないという意味で、進行がんと言われる事もあります。
  • 抗がん剤を使う治療を、化学療法といいます。
  • 卵巣がんは、抗がん剤が比較的よく効くがんのひとつと言われています。
  • 抗がん剤は、内服、静脈注射(点滴)で投与されます。
  • 手術後、抗がん剤を繰り返し使う事によって、がん細胞を完全に消滅する事もあるので、手術後も定期的に受ける事が多い様です。
  • 抗がん剤は、がん細胞に強い障害を与えますが、正常な細胞にも影響を与えるため、副作用があります。
  • 抗がん剤の副作用として、血液中の白血球と血小板の減少、貧血、吐き気、嘔吐、食欲低下、脱毛、手足のしびれなどがあげられます。
  • 「標準化学療法」
    • タキソール(T)+カルボプラチン(J)※(TJ法)
    • 週に1回点滴したら、3週間休薬する。これを、6クール点滴する方法
  • 「卵巣がんに奏効する抗がん剤の組み合わせ」
    • バクリタキセル(タキソール)+シスプラチン(P)※(TP法)
    • バクリタキセル(タキソール)+カルボプラチン(J)※(TJ法)
    • シクロフォスファミド+シスプラチン(P)※(CP法)
    • シクロフォスファミド+カルボプラチン
    • シクロフォスファミド+ドキソルビシン+シスプラチン
    • シクロフォスファミド+アドリアマイシン+シスプラチン※(CAP)
  • 治療方法を、医師に説明されたところで、略語を使用したり、国立がんセンターとの治療の違いをいわれ、(例えば、抗がん剤治療の回数の違いなど)看護師の私でも、納得せざるを得ないのが現状です。
  • 当り前のことかもしれませんが、病気になった場合には、少しでもはやく良い病院、医師を見つけることが重要であると思います。病院や医師によって治療方法は違いますし、何より対応が異なります。