月経困難症

■月経困難症

<症状>

  • だいたいの女性が月経時に様々な症状を訴えますが、日常生活に支障をきたす程の月経痛がみられる場合を「月経困難症」と呼んでいます。
  • 月経が始まると(とくに月経1~2日目)に、下腹部痛や頭痛が起こり、吐き気をともなうこともあります。
  • 上記の症状の他、下痢や便秘・めまい・腰痛・発熱などの症状を訴える方もいます。

<原因>

  • 月経痛の原因は、おおまかに分けて、器質性月経困難症と機能性月経困難症の2つがあります。
  • 器質性月経困難症
    • 女性生殖器に明らかな異常があるために起こります。
    • 子宮内膜症や子宮筋腫などが代表的で、とくに子宮内膜症は、ほとんどが月経困難症をともないます。激しい下腹部痛がみられ、月経血の量も多くなります。
  • 機能性月経困難症
    • ホルモン分泌過多によって起こるといわれています。
    • 月経のたびにつくられる「プロスタグランジン」という子宮の収縮ホルモンが過剰に分泌され、強く収縮するために激しい痛みが起こります。(プロスタグランジンは、本来、出産のときに陣痛を起こす物質です。)
  • その他
    • 子宮口が狭くて月経血が排出しにくいことや、冬の寒さや夏の冷房、心理的・精神的なことが原因となることもあります。

<治療>

  • 婦人科を受診し、器質性か機能性を問診・内診・超音波診断などで判断してから治療を始めていきます。
  • 対症療法としては、鎮痛薬を服用したり、坐薬を使用します。
  • プロスタグランジン合成阻害薬といって、プロスタグランジンが過剰に分泌が原因で起こる月経痛や下痢・吐き気などの症状に効く薬を服用します。(プロスタグランジンは月経直前にもっとも多く分泌されるため、月経前に薬を服用すると症状が軽減されます。)
  • 漢方薬も効果が期待できますが、症状や体質にあったものを選択する必要があります。
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)・加味逍遥散(かみしょうようさん)などが有効で、薬の効果が出るまで2~3カ月から1年くらい飲む必要があるといわれています。
  • 月経痛を我慢すると、隠れた原因疾患がさらに悪化する恐れがあるため、症状が強くなる場合は早めに婦人科を受診して下さい。