過敏性肺炎

■過敏性肺炎

<症状>

  • ほこりやカビ、化学物質などを吸い込んだことによって起こるアレルギー性の肺炎です。
  • 原因物質を大量に吸い込んで6~8時間後に症状が現れる急性型、比較的少量を数ヶ月間吸引した結果現れる亜急型、数年たってから発症する慢性型があります。
  • それぞれ上記の症状は共通しており、発熱・咳・呼吸困難・疲労感・体重減少などがみられます。
  • 重症の場合は、血痰や胸痛・動悸などがみられることもあります。

<原因>

  • 環境や職業、地域性などがかかわっており、いくつかのタイプに分類されます。中でも日本人に多いのは次の4つです。
  • 夏型過敏性肺炎
    • 慢性型で、高温多湿の夏季に多く発症します。日当たりや風通しの悪い家に増殖するトリコスポロンというカビが原因です。
  • 農夫肺
    • 急性型と慢性型の両方がみられます。牛の飼料にする干し草に生えるカビが原因とされ、主に北海道や東北の酪農家にみられます。
  • 空調・加湿器病
    • エアコンや加湿器の水、あるいはフイルターに繁殖したカビが原因で、ゆっくりした経過をたどる慢性型です。
  • 鳥飼病・愛鳥家病
    • インコやハト・鶏などの排泄物が乾燥して粉末状になったものを吸い込むことで発症します。鳥をペットとして飼っている人や養鶏業者などにみられます。

<治療>

  • どのタイプでも、まず病原物質を特定し除去するか、隔離することで症状が治まります。
  • 急性で重症の場合は、副腎皮質ステロイド薬の服用が有効です。
  • 症状がいったん治まっても、再び原因物質に接触すれば更に深刻な症状を引き起こし、肺繊維症を誘発して呼吸不全におちいることもあります。
  • 室内の換気をよくし、空調装置の掃除やフイルター交換をこまめに行うことによって再発予防になります。