鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

■鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)

<症状>

  • アレルギー反応によって起こる鼻炎で鼻過敏症とも呼ばれます。
  • くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。通常、これらの症状は朝夕に強く現れます。

<原因>

  • 外部から抗原(アレルゲン)となる異物が侵入したときに、その抗原に対する抗体が体内に存在していると、抗原抗体反応を起こします。この反応は、肥満細胞や好塩基球を刺激して、ヒスタミンを主とする化学伝達物質を放出させます。このような化学伝達物質が、特有の症状を誘発します。
  • 鼻アレルギー(アレルギー性鼻炎)は、誰にでも起きるわけではなく、その異物に対して過敏に反応する体質の人にだけ生じます。
  • アレルゲンの主なものは、ハウスダスト(室内のゴミやダニ、ほこり、ペット類の毛など)で、次に花粉、カビなどです。
  • 季節を問わず発症する鼻炎を鼻アレルギーといい、花粉の飛散時期にだけ発症するものを花粉症と呼んでいます。
  • 花粉症の症状は、アレルギー性鼻炎の症状に加え、目のかゆみや結膜の充血が起こるのが特徴です(花粉症について参照)。

<検査>

  • 耳鼻咽喉科でまず、鼻の粘膜の状態を診ていただきます。(健康な人の鼻の粘膜は薄ピンク色です。しかし、アレルギー性鼻炎の人は蒼白(そうはく)で、粘膜がかなりふくらんでいたり、鼻水が粘膜のまわりを覆っていたりします)。
  • 次に、症状がどの時期に起こるかを確かめ、アレルゲンを推定します。
  • 主な検査は、特異性IgE抗体検査(血液検査)鼻汁検査(アレルギー性鼻炎の人に多く見られる「好酸球」という細胞の有無を調べます)、パッチテスト(様々な抗原のエキスを鼻の粘膜に付け、どの抗原で症状が出現するかを調べます)

<治療>

  • 症状を抑える薬物療法には、抗アレルギー剤や抗ヒスタミンの点鼻薬や内服薬が使用されます。(抗アレルギー剤は、効果が出るまでに2週間位かかります)
  • 症状が特に強い場合は、副腎皮質ステロイドの点鼻薬や内服薬も処方されます。
  • 鼻づまりがひどい場合は、抗血管収縮性点鼻薬を使用したり、粘膜をレーザーで焼いたりします。
  • 症状が改善しない場合は、従来「減感作(げんかんさ)療法」が行われてきました。これは、アレルゲンを薄めた液を注射し、徐々に濃度を高めていく方法で3年間ほど続ける必要があり、根気のいる治療法です。最近は、これに代わる治療法が研究されています。