急性膵炎

■急性膵炎

<症状>

  • 通常、膵臓でつくられる膵液には、たんぱく質や脂肪を分解する消化酵素が含まれています。これらの酵素は、十二指腸に流れ込み、そこではじめて活性化して消化機能を発揮します。しかし、何らかの原因で膵液が膵臓の膵管内にたまり、そこに十二指腸から逆流してきた胆汁が混り膵臓内で活性化すると、炎症を引き起こしてしまいます。これが、急性膵炎です。
  • 上腹部に突然激しい痛みが生じ、背中や腰にまで広がることがあります。
  • 嘔吐、発熱、ときには黄疸も出現します。
  • 重症化すると痛みが長引き、多臓器不全に陥って死に至る場合もあります。

<原因>

  • 主な原因の一つは胆石症があげられ、胆嚢から流れ出た胆石がファーター乳頭につまると膵液が膵臓内にたまってしまいます。その結果、膵臓が組織を自己消化して、急性膵炎が起こります。
  • 上記のほか、大量の飲酒によるものも多いのですが、原因不明で突発的に起こる膵炎もあります。

<治療>

  • 絶飲、絶食とし、点滴で栄養補給しながら安静を保ちます。(食事をすると、消化酵素の分泌を促進し膵炎を悪化させるため。)
  • 感染予防のために抗生物質を使用し、膵臓酵素の活性を抑えるために蛋白分解酵素阻害薬も使用します。
  • 胆石が原因の場合は、結石を除去する手術を行います。
  • 大量の飲酒が原因の場合は、禁酒をして慢性膵炎に移行しないようにします。