狭心症

■狭心症

<心臓と冠動脈の役割>

  • 心臓は酸素やエネルギー源(栄養)を含む動脈血を、全身に送り出すポンプの働きをする臓器です。
  • 冠動脈は心臓の筋肉(心筋)に酸素とエネルギー源(栄養)を与える動脈です。

<虚血性心疾患>

  • 「狭心症」と「心筋梗塞」の2つを虚血性心疾患と呼んでいます。
  • 虚血性心疾患は、上記の冠動脈が、何らかの原因で狭くなったり詰まったりして、血流障害を起こす心臓の疾患をいいます。
  • 日本人の死因の1位はがん、2位は心疾患、3位は脳血管疾患となっています。
  • ここ数年、2位の心疾患(心臓病)で亡くなる人は増加傾向にあります。
  • ここでは、虚血性心疾患の中でも、狭心症について説明します。

<症状>

  • 「狭心症」とは、冠動脈の血流が悪くなり、心筋への酸素が十分に届かなくなって、心臓の動きが鈍くなった状態です。
  • 一般的には、胸の中央が痛みます。その他としては、左肩、下あご、みぞおち等に締めつけられる様な圧迫感が生じます。
  • 発作時間
    • 数分~10分程度でおさまります。
    • その後は、健康な時と変わらない状態に戻ります。

<原因>

  • 狭心症には、「労作性狭心症」と「安静時(異型)狭心症」の2つのタイプがあります。
  • 「労作性狭心症」
    • 階段を昇ったり、極度の緊張時に発作が起こります。狭心症の大半は、労作性狭心症になります。
    • 冠動脈の動脈硬化が原因になります。
    • 動脈硬化で血管内腔が狭くなっているところへ、運動などによって心筋が大量の酸素を必要とし、それに対応できる十分な血流量が冠動脈から得られない事で発症します。
  • 「安静時(異型)狭心症」
    • 1日のうちで決まった時間帯、夜間や早朝の安静時によく発作が起こります。
    • 冠動脈に一過性のけいれん(れん縮)が起こり、血管が収縮して内腔が狭くなり、血流が滞るために発症します。

<治療>

  • まず、狭心症の要因である高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙などの生活習慣から改善していく必要があります。
  • 発作が起こった場合
    • 即効性硝酸薬(ニトログリセリンやニトロールなど)を舌下すると、1分くらいで効き目が現れる為、つねに携帯する事をおすすめします。
    • この即効性硝酸薬は、冠動脈を拡張させる作用がある薬で、舌の裏に含んで唾液を溶かし、粘膜から血液を吸収させるものです。
  • 発作予防薬
    • 持続性硝酸薬のほか、「労作性狭心症」にはβ-遮断薬「安静時狭心症」にはカルシウム拮抗薬を内服します。 
      「β-遮断薬」:交感神経の働きを抑え、血圧を低くし、脈拍数も少なくして、心臓の負担を軽減する作用
      「カルシウム拮抗薬」:冠動脈を拡張させて血流をよくする作用
    • どちらも血圧を下げますから、高血圧の治療薬としてもよく使われます。
    • 血栓形成予防のため抗血小板薬も用いられます。
  • 進行した動脈硬化(アテローム)がみられる場合の術法
    • 「PTCA(経皮的冠動脈形成術)」:
      先端にバルーン(風船)のついたカテーテルを動脈内に通し、冠動脈の狭窄部分でバルーンをふくらませて内腔を広げる治療方法
    • 「経皮的冠動脈ステント植え込み術」:
      上記PTCAと同様の手法で開通させたあとに、ステントという金属製のコイル状の筒を植え込んで血管内の拡張させる治療方法。
      その他、狭窄部分を削り取る「方向性冠動脈アテローム切除術」や「高速回転式アテローム切除術」があります。
    • 「冠動脈バイパス術」
      冠動脈の狭窄部分が「風船治療」を行うのに難しい場所にあったり、この治療法では危険を伴う場合、また複数の個所が狭くなっている時は、冠動脈バイパス術が必要になります。バイパスには足の静脈か、胸、腕、胃の動脈を使います。

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