色覚異常(色盲)

■色覚異常(色盲)

<症状>

  • 色が見えないのではなく、色の見え方・感じ方が通常と異なる場合をいいます。
  • 例えば、正常な人には区別のつきやすい色が、色覚異常の人には区別しにくいのが特徴です。
  • 他人に指摘されたり検査を受けない限り、色覚異常を自覚できないのが特徴です。

<原因>

  • 色覚異常のほとんどは、先天性のものですが、視神経や網膜などの病気による後天性色覚異常もあります。先天色覚異常は、全色盲、赤緑色覚異常、青黄色覚異常に分けられますが、大部分は赤緑色覚異常となります。
  • 網膜にある視細胞には、物の形や色を見分ける細胞(錐体:すいたい)と明暗を感じる細胞(杆体:かんたい)があります。先天色覚異常は錐体の異常によって生じます。
  • 錐体には、赤、緑、青の3種類の色素があり、それぞれの色を感じるように役割分担をしています。
  • 色覚異常は、3種類に分類されます。赤色素に異常があるものを赤色異常(第1色覚異常)、緑色素に異常があるものは緑色異常(第2色覚異常)、青色色素の異常はきわめてまれです。赤色異常と緑色異常の見え方には大差がないため、両方あわせて赤緑色覚異常とよんでいます。
  • 3種類の錐体がすべて欠けていると全色盲になります。
  • 色覚異常は、赤・緑・青のいずれかが全く機能しない色盲と、機能しているものの著しく低下している状態の色弱に分けられます。
  • 日本人男性の20人に1人、女性の500人に1人の割合で、およそ300万人以上に色覚異常があるといわれています。

<治療>

  • 医学的に有効な治療法はありません。現在は、進学・就職などに際しての色覚検査は、ほとんど廃止されてきています。(しかし、電車の運転士やパイロットなど色覚で適性が決まる職種もあります。)
  • 色が見やすくなる眼鏡などもありますが、特定の色以外は逆に見えにくくなるため、実用性は限られてしまいます。
  • 色覚異常がある場合、判断や識別の際に戸惑うことも多くなります。そのため、色覚異常と診断された場合は、どのタイプで何が判別しにくいのかを把握しておくことが大切です。