食道・胃静脈瘤

■食道・胃静脈瘤

<症状>

  • 食道・胃静脈瘤は症状がなく、静脈瘤が破裂すると吐血や下血がみられます。大量出血を起こすと、ショック症状を起こし死に至ることがあります。

<原因>

  • 慢性肝炎や肝硬変などの肝臓病が進んでくると、徐々に食道や胃に静脈瘤が出現してきます。
  • 門脈亢進症が原因となります。消化器から肝臓へ栄養分を運んでいる静脈を門脈といい、この門脈内圧が高まった状態を門脈亢進症といいます。
  • 慢性肝炎や肝硬変などで肝臓に障害があると、血液が肝臓に流れにくくなり、門脈の血管に血液がうっ滞します。そのため、血流量が増え大量の血液が食道静脈に流れ込んで、こぶ(静脈瘤)ができやすくなります。

<治療>

  • 出血を起こした場合、内視鏡を用いて、静脈瘤内に直接注射針を刺して、硬化剤を注入して静脈瘤を固める治療法(内視鏡的硬化療法)や、輪ゴムで静脈瘤をしばって除去する方法(内視鏡的静脈瘤結紮術)を行い止血していきます。
  • 内視鏡的硬化療法は、肝機能が比較的良好な方を対象とし、内視鏡的静脈瘤結紮術は、肝機能が不良な方を対象とした治療法です。これらの止血法は、静脈瘤の破裂を予防する目的でも使用されます。