小児喘息

■小児喘息

<症状>

  • はじめに鼻汁、くしゃみ、咳などがあります。
  • 小児喘息が軽度の場合は、激しい咳やヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴がみられ、呼吸が速くなります。
  • 中度まで進むと、呼吸がさらに短く速くなり、話をするのもつらくなります。また、横になるより座っているほうが楽になり、乳児の場合は授乳しにくくなります。
  • 重度になると、座ったり立ったりすることさえも苦しくなり、呼吸困難を生じチアノーゼも出現します。
  • 小児喘息は2~3歳でほとんどが発症します。男児に多く、女児の2倍といわれています。
  • 成人になるまでには、約半数が発作が起こらなくなります。しかし、そのまま成人まで移行する場合や、いったん症状がなくなっても成人になって再発するケースがあります。
  • 喘息の呼吸は、吸うことは楽なのですが、吐くことが困難です。そのため、呼気が長くなる傾向にあります。

<原因>

  • 喘息そのものの発生原因はよくわかっていません。しかし、遺伝が大きく関係していると考えられます。
  • 小児喘息患者では、90%以上がアトピー体質を持っています。
  • 悪化させる因子として、 アトピー体質の主なアレルゲンのダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛、フケ、花粉などがあげられ、即時型アレルギー反応を起こすIgE抗体をつくります。
  • 上記の他、ストレスや喫煙による煙、大気汚染による環境の悪化や天候(春先から梅雨時の気候)も関係しています。

<治療>

  • 5歳以上の小児の場合は、呼吸機能測定器具であるピークフローメーターで肺の機能を確かめ、1日のピークフロー値の変動幅をみることで喘息かどうかを調べることができます。
  • 発作にたいする治療として、気管支を広げる吸入薬、内服薬、貼付薬を使用します。
  • 発作が重い場合は、副腎皮質ステロイド薬の短期大量服用も必要になります。
  • 喘息発作の予防には、少量の副腎皮質ステロイド薬の服用や吸入薬が用いられます。
  • 小さな子供の場合は、上手く吸入できないことがあるため、吸入補助器を使用することがあります。