アルツハイマー病

■アルツハイマー病

<症状>

  • 多くは65歳以上で発病します。しかし、18歳~64歳までに発病する若年性アルツハイマーもあります。
  • 物忘れで始まることが多く、昔のことはよく覚えているのに、数分前のことは思い出せないという記憶障害がみられます。そのため、物をどこに置いたか忘れてしまい、ずっと物を探していることもあります。
  • 上記のほか、意欲や周りのことに対する興味・関心がなくなり抑うつ気分になったり、逆に多弁になったりと情動的な変化もみられます。
  • 症状は徐々に進行していき、やがて昔の記憶もあいまいになり、日時や場所、電話をする、人と自分との関係などがわからなくなっていきます。(失見当識)
  • また、迷子になったり、徘徊をすることもあります。
  • さらに進行すると、衣服の着脱も困難となり、家族の顔も判別できなくなります。
  • 最終的には、言葉もなくなり会話が不能となって寝たきり状態となります。

<原因>

  • アルツハイマー病とは、加齢にともない神経細胞を傷つける蛋白質(βアミロイド蛋白)が脳内にたまって神経細胞が変性し死んでしまう病気です。脳の全体が減少するため脳の萎縮が進行し知的機能が低下すると考えられています。
  • また、大脳にあるアセチルコリンという神経伝達物質が著しく減少しているという特徴もあり、さまざまな脳機能の障害とかかわっていると考えられています。

<治療>

  • 決定的な治療法は、まだ解明されていません。
  • 薬物療法では、脳のアセチルコリンを補い、症状の進行を遅らせる抗痴呆薬のドネペジル(商品名アリセプト)やガランタミンなどが使用されています。この薬はアルツハイマー病のみに適応しますが、すべてのアルツハイマー病の患者に効果があるわけではありません。
  • 症状がある程度進行した場合は、薬物療法は期待できません。