筋萎縮性側索硬化症(ALS)

■筋萎縮性側索硬化症(ALS)

<症状>

  • 運動神経細胞の死滅や損傷によって起こる病気(運動ニューロン病)の1つです。
  • 手足やのど、舌などのの筋肉がだんだんやせて、力が出なくなります。
  • 筋肉が衰えると、不規則にピクピク動く症状がみられるようになります。
  • 多くの場合、最初は手指が動かしにくく、肘から先の筋肉がやせていきます。のどの筋肉がやせると話しにくくなり、飲み込みにくくもなります。
  • 病状は進行し、やがて全身の筋肉がやせて力がはいらなくなります。また、歩けなくなって最後は寝たきりとなり、飲み込みもできない状態になります。
  • 平均2~3年で呼吸障害に至り、人工呼吸器が必要になります。
  • ただ、進行しても感覚や知能は末期まで保たれ、眼球運動障害や失禁もみられにくい病気です。
  • 40~50歳以降にみられ、男女比は約2:1と男性に多くみられます。

<原因>

  • 原因は不明ですが、患者さんの約5~10%に遺伝性がみられます。
  • 筋肉そのもののには異常がなく、何らかの影響で筋肉を動かし司令を出す運動神経細胞が死滅していき、筋肉が衰えていくと考えられています。

<治療>

  • 現在、治療法は確立していません。
  • 病気の進行を遅らせる作用のあるリルゾールの服用で生存期間を延長させることが可能な場合があります。
  • 対症療法として、痛みに対しては鎮痛薬や適度なリハビリテーションが、不安や不眠には、抗うつ薬や睡眠薬が用いられます。息苦しさに対しては、酸素マスクや気管切開による侵襲的な呼吸の補助があります。