大腿骨頸部骨折

■大腿骨頸部骨折

<症状>

  • 高齢者が転倒した際に起こることが多く、股関節周辺に激しい痛みが生じます。
  • 足が痛くて歩けない、立てないといった場合、大腿骨頸部骨折が考えられます。
  • 骨折した側の足は、まっすぐ伸びたまま動かすことができず、足先は外側を向きます。
  • 両足を比べると骨折した側の足先は短くなっています。

<原因>

  • 太ももの骨(大腿骨)の上端部分を骨頭といい、骨盤のくぼみにはまり込んでいます。
  • 大腿骨頚部骨折とは、丸い骨頭の下(足のつけ根近く)の部分の骨折をいいます。
  • 大腿骨頚部骨折は、骨折している場所により内側骨折と外側骨折に分けられます。
  • 大腿骨頸部骨折は、骨粗鬆症の高齢者が転倒した際に起こることが多く、寝たきりの原因となります。(転倒以外で起こることもあります。)
  • 高齢者の転倒は加齢による下肢の筋力低下や白内障などによる視力低下、睡眠薬や血圧降下剤の服用によるめまいやふらつきなどが原因としてあげられます。

<治療>

  • 骨折受傷後できるだけ早く手術をします。
  • 関節包の外側で折れた外側骨折の場合は、ふつう骨を金属などで固定する骨接合術がおこなわれます。
  • 関節包の内側で折れた内側骨折の場合は、チタンなどの人工骨頭に置き換える人工骨頭置換術がおこなわれます。
  • 手術後は、股関節周辺の激しい痛みから解放されます。
  • 寝たきりになると、褥瘡や肺炎などの危険性もあるため、早期にリハビリテーションを開始します。
  • 個人差もありますが、リハビリが順調に進むと、手術後約1ヶ月くらいで歩いて退院できます。